(追記:今年2014年は「マイ・フェア・レディ」製作50周年です!)
今回は「マイ・フェア・レディ」についてです。
大部になってしまったので(中身はハリボテかもしれませんが…)
4回に分けて。
「あなたなしでも」
この作品、僕は客観的に見て、オードリーの最高傑作だと思っています。
「ティファニーで朝食を」「噂の二人」「パリで一緒に」「シャレード」と
世に放ってきたオードリーの魅力が満開の時に撮影されてますよね!
60年代前半はオードリー人気がピークを極めた時。
リアルタイムでオードリーと歩んできた人達には、
この作品の規模、オードリーの華やかさ、鳴り物入りの宣伝。
まさにオードリーの頂点とも言える作品だったでしょうねー。
日本でのロードショーはまず東京と大阪で。
東京は「有楽座」、大阪はなぜか2館で「梅田スカラ座」と「千日前スバル座」。
「有楽座」の記録ではほぼ1年間にわたって上映、
680,044人動員という大記録を残しているそうですよ!
さて、この「マイ・フェア・レディ」、いったい世間の評価はどうなっているのでしょう?
というか、自分が気に入ってれば、そんなことは本当はどうでもいいんですけどね。
間違いなく、オードリーの代表作の1本ですよね!
これは動かし難い事実です。
当時の日本では、ホントに“オードリーの最高傑作!”と言われてたことでしょう。
でも…
この“でも…”が必ず付いてしまうのが曲者です。
僕のさっき言いかけた“でも…”は
“でもオードリーが吹き替えになったことを色々言う人がいる
(僕自身は全くそれで作品の評価は変わらないけど)”って意味なんですけど、
世の中には“でもオードリーは吹き替えだったから減点!”っていう人がいるんですよね〜。
これが問題…。
最近「マイ・フェア・レディ」を語るならこれを外せないのが悲しいです。
オードリーは間違いなく満点の演技をしてる。
これまで演じてきたすべてをこの「マイ・フェア・レディ」に注ぎ込んでる。
こんなに華やかで豪華なオードリーは他には見当たらないでしょう。
アメリカでは撮影当時、“ジュリー・アンドリュースから役を奪った!”
ってものすごいオードリーバッシングが起こったそうです。
しかも“オードリーは吹き替えだ!”って知れると、
バッシングはますますエスカレートするばかり。
事実、当時のアメリカの賞という賞でオードリーは受賞出来ませんでした。
でも、日本やヨーロッパでは全然そんなことなくって、
正当にオードリーの演技が評価され、
ヨーロッパなんかでは「マイ・フェア・レディ」の演技で賞ももらってるし(イタリアのダヴィッド・ディ・ドナテーロ賞)、
日本の映画雑誌では、不動の人気投票オードリー第1位を獲得してます。
だいたいなんでこんなことがバッシングの原因になるのかもわかりません。
吹き替えなんて、当時のアメリカでは当たり前でしょ?
「王様と私」のデボラ・カー、「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッド。
それで彼女達はバッシングされたでしょうか?
ましてや舞台での俳優と映画での俳優が違うのなんて、
もっと日常茶飯事じゃないですか!
そんなの数え上げたらキリがないです。
事実オードリーも舞台で演じた「ジジ」の映画版、
「恋の手ほどき」で主演してないでしょ?
そんなこと、いちいち目くじら立てることかなー…。
正直これは50年代にアメリカで起こった赤狩りと
なんら変わらない卑劣な事件ですよね。
感受性の強いオードリーがいかに傷ついたか、
想像してあまりあります。
オードリーはきっと、後年「マイ・フェア・レディ」について考える時、
バッシングの嫌な思い出で、かなりつらかったと思いますよ。
しかも、それは演技どうこうでは全然ないんですからね!
あ、長くなりそうなので、以下は次ということで。
2003年7月22日 改訂2004年5月20日 再改訂2014年4月24日